みどり訪問クリニック

Read Article

在宅医療の魅力|医療関係者の皆さんへ

在宅医療の魅力|医療関係者の皆さんへ

医療を通じて、患者さんの人生の一部に関わることができること。それが在宅医療の魅力です。

患者さん一人ひとりを支える手作りの医療のやりがい。
在宅医療を料理の世界に例えてみますと、達人シェフが、家庭に招かれて料理をつくるときに、冷蔵庫の中には、レストランの厨房にあるような凝った食材はありません。

調理器具を含め、料理のプロの視点からは十分な環境ではありません。そんなハンディキャップを背負っても、ありあわせのものを使って、その人その状況にあわせた、満足できる料理をつくること。それがプロというものです。

在宅医療もそのようなプロセスに似ています。病院と比較したら、優位とは言い難い限られた手段から、患者さんとご家族が望む療養生活に合わせた医療を提供していく、言うなれば、おふくろの味のような医療です。手作り感と愛情に溢れている。こういうオーダーメイド的なプロセスがまさに在宅医療の醍醐味といえます。

私たちが医師を目指すときに抱いた医療の原風景があります。
患者さんの生活の場を知ることが大切です。病院医療は、病院という場が患者さんに合わせることを要求します。心ある病院スタッフの中にはその人の生活背景を理解しようと努力される方々もいますが、なかなか難しいのが現状です。なぜならば、病院は効率を重視しないと続々と来院する患者さんをさばけないからです。

一方で、在宅医療においては、医療が人に合わせることができます。合わせると言っても、気負う必要はございません。患者さんとご家族と一緒に、自宅という空間を共有していくうちに、生活背景は自ずと見えてくるので、自然に「場」の魅力を実感することができます。

そして、患者さんの本来性・日常性を、医師としてどう対応していくかを、自宅に上がった瞬間から意識できるようになります。そして、知れば知るほど、患者さんの療養生活を邪魔しないような診療の配慮が身につきます。

手作りの医療をチームで実現する喜び。
病院医療において、医師はヒエラルキーの上位に属しますが、在宅医療においては、必ずしもあてはまりません。なぜなら、医師による訪問の接点よりも、介護職・看護職による訪問の接点のほうが頻度的には、圧倒的に多いからです。

つまり、生活者としての患者さんをより理解しているのは、彼女たち・彼らたち。地域のケアに携わる人達の奮闘がみえてくると、患者さんを「点」ではなく、多職種連携による「面」で支えることが重要だと気づき、地域でケアに従事する人たちの顔も見えてきます。まるで、映画を紡ぎ上げるかのように彼女たち・彼らたちと一緒に療養体制を構築していきます。

ここでは患者さんが主役であり、我々は黒子に徹すること。一件一件の療養体制を構築するたびに、職種同士の信頼関係が醸成され、チームで支えることの充実感を味わうことができます。

Return Top